Alan Wake
ホラーゲームというには画面が明るいし、グロい見た目のモンスターやびっくり要素も出てこないので、呪術的な要素があるサスペンスドラマを見ている印象だった。闇の存在や書いたことが現実になる小説などの呪術的要素は割と好きだからすんなり受け入れられたけど、最終的に謎が解けたときのようなすっきり感はそれほどないかもしれない。でも、人間の論理を逸脱している救いようのない世界の中でもがき続けて、最終的に「ハッピーエンド」に向けて進もうと決断するアランの姿はシンプルに感動するし、不可解な世界と人間らしい感情のどちらもしっかり描かれていて面白いホラー短編読んでるような気分だった。
アランやその妻の身に何が起こったのか、これらの謎解きの手がかりが何もないので、ストーリーの続きがどうしようもなく気になってしまうようなことはないけど、なんとなく物語を読み続けてしまうのを止められないエネルギーみたいなのを感じた。なんか、そもそもこれはなんの話なの?というところをつかもうとしてゲームをプレイするのを止められないような、少し奇妙な引力がある。そういう不可解な、呪術的な要素をなんとか掴もうとする意識がこの物語を読み進める原動力になっているというのは、ホラー小説特有のものなのかもしれない。
闇にとらわれたものとの戦闘は楽しいときもあればそうでないときもあった。なんの意味もない感想じゃん。まあ、リソースが少ないときは逃げるしかないというのは、ホラーゲームってそういうものという気もする。ただ、どうせ戦うならやっぱり近接攻撃が欲しいと思ってしまった。小説家にそこまで期待するのは酷かもしれないけど。でも、弾が当たったときや敵を倒したときの感触は気持ちよくて、この辺は Control と同じ会社が作ったんだなという感じがした。