Antichamber
昔の炎上の話ばっか覚えてる
2013年の時点でもうパースペクティブの変化を使ったここまで完成度の高いパズルゲームが開発されていたんだ、という感心みたいな気持ちが前のめりで出てきてしまって、せいぜい2010年前半くらいのゲームなのに、こんな「古典の勉強」のモチベーションになっちゃうことあるんだと思った。
個人的に、対象がどんなものであろうが古典と呼ばれるものをやるのがちょっと苦手な理由として、それが名作であればあるほど現代の作品にもその魂が継承されているので、改めて古典的名作をやっても「なんかどっかでやったことあるな」という気分になってしまうというのがある。この作品がどういうブレイクスルーを達成したのかとか、この時点でこのレベルまで完成されていたということにはシンプルに感嘆を覚えるけれども、正直こんな感じのやつやったことあるなと思ったときに「いやこっちが先なんだから我慢しなくちゃ(?)」みたいな気持ちになるのが少し嫌なのかもしれない。なぜ嫌なんだ。知識の無さを恥じている気持ちがあるのか、自分に嘘をついて良い子ぶってるみたいに思われるのが嫌なのか。いずれにしろしょうもない感情のような気がする。
時系列的には逆だけど、このゲームに登場するパースペクティブを使ったギミックは Manifold Garden や Superliminal などで体験済みではあったことが、元ネタ探しみたいな、古典を勉強しているみたいな気分になった原因かもしれない。
奇妙な模様ののぞき窓に近づくと、プレイヤーの場所がその窓から見えた景色の場所に移動するギミックで、特に、「これってこの時代からあったんだ」感を覚えた。なんでだろう、Superliminal で印象強く残っていたからだろうか。
実際、Anodyne や Brothers と同年と考えると、2013年のゲームなのにここまで古典的名作の風格を持っているのはすごいなと思った。ただ2Dゲームと違って3Dゲームはここ10年の開発エコシステム周りの発展がすごいから、当時のゲーム(特に個人開発のゲーム)はより古風に見えてしまうのかもしれない。
ところで開発者がこのゲームのリリースまでの経緯を語った講演録を読んでたら『Indie Game: The Movie』やフィル・フィッシュの名前が出てきて、そのあたりの炎上のことを思い出した。全然この時代のインディーゲームシーンをリアルタイムで体感してはいないけど、このフィル・フィッシュの動画を見て以来、なんか特別な時代だったのかもという印象を持っている。Space Funeral の開発者のエッセイ「FORUM」(このフォーラムはTIGSourceのことではないけど)で書かれていた「成功の定義が非常に狭く具体的な趣味のコミュニティで起こり得る、一種の閉鎖的なトンネル ビジョンや、意地悪な女の子のようなポジション争いへの傾向」を持った、そういう悪い意味での文化系青春物語みたいなのに正直惹かれてしまうところがあるから。
- IME切替のホットキーが暴発しているのをずっとゲームのバグだと思ってたの流石にやばすぎる。でも今どきのゲームってその辺もうまくやってたりくれたりするじゃん?そんなことないのも多いか。HighFleet でも同じようなことが起こってたし。本当に映したらダメな人になってる。