Blasphemous
見た目や世界観以外にすごく個性的なところがあるかといわれるとちょっと難しいけど、戦闘もマップもよくできたメトロイドヴァニアで面白かった。難しいボス戦も、何度かやってパターンを覚えて正攻法で倒すか、強化してから多少ごり押しで何とかする、という選択肢があるのはうれしかった。
戦闘では何よりパリィが気持ち良いのが一番の特徴に感じた。音もエフェクトも気持ち良いから、その辺の雑魚の攻撃でもいちいちパリィしたくなる。ボス戦だとパリィ成功してもそんなに攻撃チャンスが訪れるわけじゃないけど、だんだんパリィに成功した回数がふえてくると、「上達してるぞ!」という感覚になる。そういう成長を実感できる仕組みがあることで何回も負けても再挑戦するのがそれほど苦には感じなかった。
イシドラ戦はあまり強化してない状態で臨んだので相当きつかったけど、序盤の早い連続攻撃とかをパリィで流せるようになってくると、この調子で行けばいつか何とかなるのではないかという希望が湧いてきた。実際はその後2時間くらいかかった。
ボスを倒せたかそうでないか、ダメージをどれだけ与えられたか以外に、なにか進歩していると感じられるような要素があることで、停滞しているという感覚を和らげてくれていたのかも。
でもイシドラ戦の火の玉だけはどうしたらいいか最後まで分からなかった。ああいう、ボスが普通に攻撃する間にビットみたいなのが漂っていて、それもよけなくちゃいけないというのが苦手過ぎる。脳が一つずつしか処理できないから「弾を避ける」→ 「本体の攻撃を対処する」みたいな流れで処理しようとすると、弾を避けた時点でボス本体の攻撃動作を判断する時間が足らなくて食らってしまうというのがよくある。
アップデートで追加されたボスは全部ちゃんと強くて面白かった。アップデート前だと強さで印象に残ってたボスはクリサンタくらいだったから、戦ってて楽しいボスが増えてよかった。
見た目では修道院の隻貌の魔女とか、万母の母のメルキアデスとかが印象的で好き。画廊のボスも面白いけど、体力が低すぎて一瞬で終わってしまってあまり印象に残らなかった。まあこのボスは即死攻撃を持ってて、あまり長丁場になってから食らうとあまりに理不尽だからしょうがないのかも。
慈悲なる夢とか万母の母とか、三語の結び目とか、いちいちマップ名が個性的でかっこいいのも好き。こういうステージ名やアイテム名、セリフとかも含めて、宗教的な用語に元ネタがあるんだろうけど、日本語訳がしっかりしててほぼ違和感がないのもすごいと思った。ただ、アイテムとかの説明とかは、凝ってて面白いんだけど、どこまでがフレーバーテキストでどっからが効果なんだよとは思った。
面白いけど、イライラするところも多い。そもそもイライラするのは、出来て当然みたいに思ってる自分にも原因がある。自己評価が高いのか?自己評価以外にも、仕事終わって疲れてる時間にやってるんだから気持ちよくさせろよみたいな最悪な感情もある。とは言っても一番イライラしたのは Bloodstained コラボステージだから、まあオマケ要素だし良いっちゃ良い。でもあれはなんか、マリオメーカーで一回クリアしただけでアップロードしためちゃくちゃなステージと同じような印象を受けた。
あと、このゲームに限らず、2D横スクロールでプラットフォーマーよりコンバット要素が強めのゲームで、雑魚敵に接触ダメージがあるのがちょっと個人的に無理な要素かもしれない。さらにメトロイドヴァニアみたいな探索要素のあるゲームだとより合ってないような気がする。まあ原典(って言うのか?)の悪魔城シリーズがそうなってるから、自分が気づいてないだけで実は何か良い面があるのかも。
こういう多少難易度の高いメトロイドヴァニアって苦労して取ったアイテムがそんなに強くなくてちょっとがっかりすることがあって、このゲームも結構大変なクエストやボスを倒してもそんなでもない祝詞とかしか手に入らないことがあった。その割にめちゃくちゃ強い祝詞のティエントはそれほど大変でもないクエストのクリア報酬になってたり。
それでいうと、月下だと最終的に壊れ性能のアイテムや装備を出てきて、それで終盤のバランスがめちゃくちゃになると言えばそうだけど、自分はどちらかというとシンプルに強いアイテムが手に入ったほうが嬉しいのかも。
でも世界観とゲームバランスを天秤にかけて世界観を採ってるように見えるほうが、少し興奮するというのもある。なんかこう生っぽい感じがして。
血みどろだし、いろいろ生っぽいゲームって言えるのかもしれない。