COCOON
よくできてるなと思った
よくできたパズルと、宇宙のキモイ生物、かっこいい開き方をするでかい扉がたくさん出てきて楽しい。メカと有機物が融合したみたいなデザインが好きなのかも。
隠し要素以外のメインクエスト部分は、なんかもうほんとにすらすら出来過ぎて、逆に何も言うことが無い感じになってる。
パズルのパターンは色々あるけど、その都度やれることの選択肢は多くないから割と詰まりにくい。選択肢が少ないと言ってもあからさまではなく、プレイヤーに気づかれにくい形で次に進むべき導線が限定されているのがすごいなと思った。例えば、次に進む道が光っていたりなどあからさまに先の道を示すものではなく、プレイヤーも気付かない内にあと戻りできなくなっている場面が多かった。
具体的にはごく最初の場面(ロード画面では8%のところ)から、そのような目立たない誘導がある。まず、プレイヤーは崖で途切れた道に直面する。そこでプレイヤーは崖の向こう側にあるスイッチにボールを乗せることで崖に橋を架けることができ、途切れた道を渡れるようになる。その橋を渡った先にはまた別のスイッチで開閉する扉がある。扉のスイッチを起動するためには、先ほどの橋を架けるためのスイッチに乗せたボールを持ってくる必要があるが、ここで、橋のスイッチからボールを持ち上げた瞬間のこのタイミングで、橋を架けるスイッチが二度と使えないように蓋で覆われるようになっている。なんか、こう書くと結構あからさまに聞こえるけど、一度次のギミック(この場合ではスイッチで開閉する扉)を見ていることで意識が次の謎解きに向いていることと、スイッチをオフにすると橋がなくなり後戻りできなくなるというのはプレイヤーにとって自明であることが重なって、ゲームに誘導されていると感じにくくなっているんだと思う。例えばこのときに、橋を渡った瞬間に道が崩れるなどして後戻りできなくなったとしても同じことなんだけど、プレイヤーが自分の意志でボールを持ち上げてスイッチをオフにするという行為を挟むことで、「強制的に後戻りできなくされた」と感じづらくなっていると思う。
他にも、個別の謎解きのシーケンスは短く、途中のステップで失敗するとまた最初のほうから戻ってやり直し、みたいなことが少なかったり、同じ道を行ったり来たりする機会もほぼなかった。
こういうことの積み重ねですごくサクサク進められているような感覚になっていたんだと思う。まんまと誘導させられた感じではあるけど。
つまり、実質的には面クリア型のゲームなんだけど、目立たない誘導によってシームレスにつながっているおかげで、まるで自分自身で探索しているような気分になっていた。
さらなる上位存在によって支配された世界だったというオチも唐突なものではなく、こういうしれっとコントロールされたパズルのデザインにすでに現れていたのかも。
隠しエンディングのためのコード集めも含めてプレイ時間が7時間くらいで、それもなしでメインクエストだけだと3時間くらいで終わってしまったことことから強気の値段に見える。でも、丁寧に作られてて見た目も面白いし、何より上で書いたような迷わない工夫のおかげで早くクリアできたということもあるので、個人的にはこれくらいの値段でもいいのかなとは思う。
3,000円程度でガタガタ言いたくないけど、すごい高級な店でバカ高いけどめちゃ量少ない料理が出てきたときってこんな感じななのかな。
プレイ時間も短いし、ギミックの応用とか組み合わせも最小限という感じで、ものすごくよくできた技術デモという印象を受けなくもない。