corru.observer (Ep. 3 ADD1 まで)
.observer ドメインは 18ユーロ/年(2024年2月時点)
ブラウザ上でオブジェクトをクリックして次々と奇妙な空間に飛んでいく、昔のいわゆるブラクラサイトを探索しているみたいで面白かった。
ただ、このゲームにおいては「餓死シャチの幸」みたいにゲーム全体で回顧的な面白さを追及しているというよりは、単純にデザイン上の一つの選択としているようで、なんか、次のステージに進んだな(は?)という感じがある。
というのも、こういう雰囲気の作品って大抵説明や設定が曖昧でプレイヤーの想像に委ねるような描き方をしているけど、このゲームはテキスト量がめちゃくちゃ多いし意味不明な用語もマウスオーバーで説明が表示されたり、各キャラクターの心理描写もしっかり描かれていて、なんかもはや想像の余地がほぼないような雰囲気すらある。デザイン的にも設定的にもつかみどころのない描かれ方をしている宇宙人(obesk?であってる?)たちも、心理描写はあまりにも人間臭すぎるし。
こういう描写の丁寧さも含めて、チュートリアルや難易度調整機能もあって見た目の取っつきづらさ(というか先鋭的なデザイン?)からは考えられないくらい遊びやすかった。
ストーリーは未完で、現状では事件に対処する中で宇宙人たちの人間的(?)成長を描いている段階でまだクライマックスに達していないのでなんとも言えないけど、どこに重心を置いて楽しんだらいいのか自分はよくわからなかった。結構キャラクターの描写が濃いからそういうのを楽しめばいいのかなと思うけど、フィクションのキャラをどうやったら好きになれるのかいまだにわからないんだよな。自分の中の人に共感できる範囲が狭すぎて、ちょっとでもその範囲から外れると「まあそういうこともあるのかな」みたいにすぐに離れた目で見てしまう。こういうのも自分の人生経験の薄さから来ているのかと思うと戦慄する。