God of War
あー、ロキ、ね。うん、なるほどね。
神々の戦いを、閉鎖的なコミュニティの少し病的な家族関係として語るのは奇妙に見えるけど、現代的な感覚ではとてもスムーズに理解できる。どうせ神話なんて、当時の地方の権力者とその関係者の噂話が、あることないこと膨らまされて言い伝えられてきたんだろうなという、現代人にとって無理のない解釈が、それっぽい人間ドラマとして描かれている。そんな気がした。
当然、クレイトス、アトレウス親子の物語にゲーム中の多くの時間が割かれてはいるんだけど、正直そこは、「どうせ最後は丸く収まるんでしょ?」という先入観があるので、個人的にはバルドルの物語が印象深かった。いわゆる物語としてのサスペンス要素を彼(とフレイヤ)が一身に背負っていた。
最初にバルドルと出会ったときは正体不明な分、狂気の猛る神のような雰囲気を持っていたが(田舎のチンピラっぽい雰囲気もあるけど)、最後は助けが必要な中毒患者のようにしか見えなくなっていた。バルドルは戦闘中はスーパーパワーっぽいものを使いまくってくるのに、カットシーンでは普通に家の扉をノックして入ってこようとしたり、最後も海からゆっくり歩いて上がってきて登場するのもなんか面白かった。こういうのもバルドルの人っぽさを表す演出なのかもしれない。
このゲームの話はこれくらいで、あとは単なる自分語りなんだけど。こういうゲームのいわゆる凪の時間、つまりなんとなくサブクエを消化しているようなときに、暇だけど特にやることが何も思いつかずただ目の前にあるゲームをやっていた頃を思い出した。一見優雅に聞こえるけど、実際は強迫観念にも似た、なんでもいいから暇な時間を埋めなくてはいけない、という気持ちにせっつかされていた。そうしないとアレが湧いてくるから。
そうときにこういう山場やチャレンジングな要素の少なく、いい感じに現実との距離が離れているゲームがちょうどよかった。具体的に言うとSFCやPSのRPGを中古で買ってずっとやってたと思うけど、何やってたかほぼなんも覚えていない。そのときやってたゲームでクリアするまでやっていたものってほとんどなかったかもしれない。そもそも続きが気になるわけでも、クリアしたくてやっているわけでもなかったから。ただ、レジェンドオブマナだけはなぜかよく覚えている。
- 最後「ロキ」って言われても、神話なんも知らんせいで「ふーん…?」って感じになってしまってた。なんかアメコミのスーパーヒーローで同じ名前のキャラがいたかもしんないくらいの知識しかない。