Grim Fandango
野菜のサンドイッチ

全面的に adventuregamers.com のレビュー[1] と同意見です。自分も、キャラクターの個性、そして声優の演技力と合わさった強烈なセリフがこのゲームの一番好きなところだった。
特にGlottisが自分自分の心臓を取り出して投げてしまったのを探しに行くところは意味が全く分からなくて面白かった。Glottisの突拍子のない行動に、マニーが落ち着いているけど真剣なトーンで、すかしたりせずに反応するのにずっとウケていた。ただどうしても英語だと、「あれなんか変なこと言ってるけど、これって自分が読み間違えてる?」となってしまう。一瞬間が開いてから、「あ、やっぱりジョークだったんだ」と、一拍遅れてしまうのがちょっと損に感じる。
良い点は全部上のレビューに書かれているから、変に気になったところだけこれから書くんだけど、そうするとすごい嫌な奴に見えたりしないですかね?関係ないか。
うらぶれたおっさんが、これまでの考えや行動を顧みたり修正したりすることなく、目の前の責任や罪悪感、あるいは女性のケツを追いかけるうちになぜか使命感を帯びて行き、結果的に世界を救うことになる。都合のいい話というか、ある意味90年代のハリウッド映画みたいな展開かもしれない。いやもっと古い?まあでもその辺は1998年のゲームだし、気持ちの良いハッピーエンドを迎えるにあたり、マーニーの過去に何があったかを具体的に書くのは"やりすぎ"感があったのかもしれない。
プレイヤーが操作する時間を「死者の日」に限定するすることで、プレイヤーの視点からは生者の世界に帰るあてのない、過去を捨ててきた人間だけが見える。ややこしいバックグラウンドを抜きにして、刹那的に生きる人間たちを抽象的に表現する手段として死者の世界を使っているように見えて面白かったし、ちょっとずるいような気もした。
アドベンチャーゲームは、ストーリーを語るためにゲームプレイが存在している[2]と言われている。このゲームでも目の前の問いに対して伝統的なポイント&クリックの手法(持っているアイテムや画面を総当たりでクリックすること)で解決していく。この解決方法に対する驚きや面白さが大きいほど論理的な飛躍が必要になる。そうすると、解答を真面目に考えるのがバカらしくなってしまう瞬間が表れるのはしょうがないのかもしれない。