Headlong Hunt
オレンジの動物の名前が「Headlong」だと思ってた

プレイヤーキャラクターである生物学者を動かして、調査対象の「動物」(だよね?)を罠まで誘導する。基本的なルールはシンプルな倉庫番ゲーム。
動物の動きは単純で『パクレットのウサちゃん捕獲ゲーム』のように難解ではない。4方向のいずれかに生物学者がいるか検知して、障害物に当たるまで逆方向に飛んでいくだけ。生物学者が壁などに隠れていれば検知できない。出てくるブロックも極めて少なく、単純な壁、一度だけ目隠しとして機能する草、水に落とすと足場になる氷、動物をぶつけると光るランタンの4種類だけ。
それだけなのに、113問もある。正直多いなと思わなくもなかった。それでも全問、ゴールである罠の位置から動物の動きを逆算しても、どこかで「ここってどうやったらいいの?」と詰まる部分が絶対にある。
実際、4種類だけと言ったブロックだが、動物、あるいはブロックどうしが合わさることで固有のルールが構成される。光ったランタンの個数に応じて、数字の書かれた氷ブロックが溶ける。溶けた北極(こおり)のなかに別ブロックがあった場合、その場に出現する。出現した場所が水上だった場合は、また別の効果が現わる。
ランタンと氷の組み合わせがこのゲーム独特の要素で面白かったが、個人的には草ブロック関連のギミックが好きだった。草ブロックは、動物と生物学者それぞれで効果が大きく変わり、かつ、どちらか一方でも通過するとしおれてしまう。
全ての問題は、相互に作用する生物学者と動物の2つのルートを考える必要がある。そこで、この草ブロックが出てくると、どちらで通過するかで大きく分岐するため、一気に複雑になって難し面白くなる。
一つ一つの要素はシンプルだけど組み合わさると複雑化するタイプのギミックが好き。単純な人間の脳細胞を使って計算機の処理をシミュレーションしているような、低スペックPCでギリギリの処理をしている感覚になって楽しい。
一手ずつ脳内でシミュレーションしながら解いていく、完全に理詰めのパズルゲームを久々にやった気がする。『snekburd』の息抜きに短めのパズルをやりたかったけど、結構脳が限界になるくらいの難しさだった。
そもそも、パズルゲームって全部理詰めなんじゃないの?まあ、そうかも……でも、『Snakebird』のように、答えを降ろしてこないと解けないタイプと違い、このゲームは最終形を想像して、一手ずつ逆算するように解いていかないと詰んでしまう。いや、『Snakebird』もそうだった気がする。なんもわからんくなってきた。
『The Pedestrian』の感想では、このような一手ずつ詰めていくタイプのパズルは個人的に退屈に感じる、と書いたばかりであれなんだけど、正直これは面白かった。なんか間違ってたかもしれない。
前の感想では、単純に選択肢の多さが要因と書いたけど、実際は初期状態を見るだけで解答まで静的解析が可能な問題か、それとは反対に、プレイヤーの動きに応じて状態が変化し、動的に一手ずつ(あるいは数手先まで)考える必要があるか、の違いが重要だと思った。というか、実際は前の感想と同じことを言っていて、より正確に表現しようとするとこうなだけかも。
普通に面白かったけど、レビューでは、皆それほど難しくないと言っているのが気になった。個人的には『Snakebird』と同じかそれより難しい印象があった。
完全クリアの実績取得率も『Snakebird』は7.6%で『Headlong Hunt』は 29.4%。、Thinky Games のレビューでも『Snakebird』は「Hard to reach 100%」で、『Headlong Hunt』は「Fairly hard to reach 100%」になってる。実績取得率に関しては『Headlong Hunt』はまだパズルゲーム好きにしか知られていないからだと思うけど、そんな差があるとは信じられなくて、自分の感覚って結構ずれてるのかもしれない。