Hyper Light Drifter
主人公がなんらかの病気に蝕まれていてその治療法を探すというストーリーが、このゲームの開発者が抱える持病から来ていると知って色々と納得がいくように感じた。
この世界の歴史とか種族とかそのあたりの設定が曖昧にしか語られないなか主人公が病魔に侵される描写だけ強烈な印象を受けたのは、個人的な情熱みたいなものがその部分に強く注がれているからなのかもなと思った。実際ファンタジーというよりは心象風景的な世界観に見えたし、そういう個人の情念みたいなものが乗り移ってるようなものが個人的に好きなところではある。
なんとなく、自分の中ではこのゲームと Escape from Lavender Island とかは同じ箱に入ってる感じがある。こっちの方がよりドライというか、洗練されているというか、強調したいところがはっきりしている感じだけど。
コンバット要素は難しいとはいえ、反応速度など単純なアクションゲームの能力というより知識の部分でカバーできるようになっていると思う。近接攻撃を当てると遠距離攻撃の弾が補充される仕組みがすごくよくできてて、各ボスはどこかしらに接近しやすい隙を持っているから時間をかけて倒すこともできるし、リスクをとって頻繁に接近して弾を補充し、遠距離攻撃を連射することでDPSを上げれれるようになっている。遠距離攻撃は全体的に強力かつ低リスクで、特に東のボスを倒して手に入るショットガンが超強力だったり、多少リスクをとって接近してもダメージレースに持っていけたりもする。
とはいえ、この遠距離攻撃と近接攻撃のリスクとリターンのパターンを理解するのには割と時間がかかったし、特にショットガン以外の遠距離攻撃はしっかり狙わないといけないから、近接攻撃メインでの戦いをしていた序盤は結構きつかった。特に The Hanged Man (西エリアのボス)はめちゃくちゃ大変で、倒すまで40分以上戦っていた。素早くて範囲の広い剣攻撃を避けるのにギリギリで行動パターンを見る余裕がなかったし、ショットガンの強さにも気づいていなかった。
その他のボスはそこまで苦労せず倒せたが、ちゃんと相手の動きを見て対応して完封したというよりはただダメージレースで勝ったという感じで、ごり押し気味ではあった。
そういうのとは全然関係ない理由でラスボス戦があっけなく終わってしまったのはちょっと拍子抜け感はあった。上で書いたような、一応は戦略と言えなくもない遠距離攻撃の火力ごり押しとかではなく、たまたま大量の弾を近接攻撃で反射して倒せてしまったので、なにかちょっと間違えてしまったような感じがある。
- あと、めったにあることではないけど、剣が壁などのオブジェクトに当たると攻撃モーションがキャンセルされるのは結構きつかった。そのことで感じ悪い文句言ってしまったのも少し後悔している。でも、こういう仕様って珍しくない?
- 全体的に、絵はかっこいいけどなんかふわっとしてるな~というインディーゲームの代表みたいな感じで、しかもエンディングでしっとりしたピアノソロが流れるのもそれっぽすぎると思ってしまった。それっぽいインディーゲームの原典みたいなもんだから当然なんだけど、なんかちょっと役満みたいな感じが面白かった。