キミガシネ -多数決デスゲーム-

キミガシネ -多数決デスゲーム-

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こういうのって、どう脚本考えてるんだろうな。なんかすごいプレッシャーじゃない?
例えば、2つくらい案があるときに、「こっちの展開の方が絶対続きが気になるはずだ」ってどう判断するんだろ。

お話としては、これまでの謎解きも面白かったし、未解決の謎もはっきりと提示されていて、先の展開が気になる面白い話だと思った。
キャラクターもシンプルに見えてみんな割りと複雑な面も持ってるし、ちゃんとみんな死亡シーン付近に見せ場があって、ただ人命が軽くて荒唐無稽な感じだけが印象に残るようになっていない。そのおかげで、めちゃくちゃな設定でも話に振り落とされないようについていけた。
それでも、そもそもデスゲームという設定が極端すぎて、現実とのつながりが見えてこないというのはある。例えば、「どうして普通で善良な人間でも状況によってはこんな残酷になれるのか」という問いかけをぶつけられてるんだとしても、「いや、こんな状況現実ではよっぽど起こらないのでは?」という思いが頭をもたげてしまう。そういう特殊な状況を仮定することで見えてくる人間の普遍性みたいなものはあるけど。「まあ、デスゲームに参加してるならこうなってもしょうがないのかな…」という感情になる。
人がカタルシスを感じるために、最低限必要な現実っぽさのラインは人それぞれだと思うからなんとも言えないけど。

最初の、学校の帰り道から拉致されるまでの展開で違和感があることが多いけど(ストーカーについて警察や親と相談しないのかとか、ジョーと家の前で別れたのに、なぜその後すぐ現れたのかとか)、このへんは、主人公自身や家族にもなにか秘密があるような匂わせであえてやってるような感じがあるけど、まだ未完成なのもあってちゃんと回収されるかちょっと不安でもある。

第二章の前半のサブゲームは、ちょっと長いなと思った。でも、第一章では仲間たちと特に思い入れを深める前に死んでいったようなところがあるから、各キャラクターの深堀りのためにも必要な演出なのかも。とはいえ、みんなどうせ死ぬために生み出されたキャラでしょ?デスゲームなんだから、みたいな思いもぬぐい切れない。あと、単純にミニゲームがあまり面白くない。

ところでゲーム全体として、どの選択肢を選んでもあんまり展開に影響しないというのが続くと「選択肢」に対する真剣さが失われてきてしまう。まじめに考えてもなんも関係ないやという気持ちになってくる。そこを逆手にとって急に分岐とかすると効果がある?のか?

ダンガンロンパフォロワーのインディーゲームってほかにもあるんだろうか。人気だからもっとあってもいい気がするけど。