ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム

結局、自分がこのゲームのどこに面白さを感じていたのかというと、前作と同じで、何かありそうなところにちゃんと何かあるということになるし、そういうところがすごくよくなっている気がした。あと、素材の効果にも色々と個性があって集めがいがあるようになって、時間をかけて準備すればするほど探索しやすくなったり強くなったりするのはうれしかった。
ブレワイが更に良くなってるんだから当然嬉しいはずだよね、という思いと、でも、どっかでブレワイとぜんぜん違うゲームになってることを期待してた自分もいる。

自分でも何を言ってるかよくわからないけど、30代になるとこういうゲームから「栄養」を摂取するのって難しいなと思う。「栄養」っていうのは、客観的に見て生きていくために必要なものというたとえで、主観的な評価じゃないので、ゲームが面白くなかったみたいな話ではなく、単純にわざわざ自分がやらなくてもよかったんじゃないか?という気持ちになってしまうような感じ。具体的に言うと、めちゃくちゃ売れてるゲームだし、いろんな人がやってるから自分がこのゲームについて新たな発見をする可能性はないだろうみたいな諦めとかが、栄養の接種を阻害しているように感じる。そもそもこのゲーム自体が、プレイヤーの経験が平滑化するようにちゃんとデザインされているせいなのもあるのかもしれない。なんというか、だれがやっても大体同じように面白く感じるというか、それはすごいことなんだけど、個人的な経験として考えるとそういう計算されつくした感じが逆にマイナスになるのかもしれない。

重要なクエストラインに対してテキストやガイドが増えたことにより、ストーリーを進める動機にもなり、全体的に迷いづらくなっている。これは、ブレワイから良くなってる点だと思うんだけど、テキストにヒントがしっかり書かれすぎていて、自分で解いているというよりも解かされているように感じなくもなかった。このせいで地底探索の方が楽しく感じて、ノーヒントで地底を探索して、4地域の神殿より先に魂の神殿をクリアしていた。でも、「あえて変な順番でやろうとしてるな」というのを自分でも感じてたし、そのせいもあって偶然自分で発見したという驚きは薄かった。
こういうAAAゲームをやった時に感じる、ジャンクフードじゃないけど栄養がない感じは、ある意味ただおいしい料理を食べたときとおなじではあるかもしれない。おいしさに慣れてしまっただけと考えるとすごく贅沢な悩みだけど、実際は単純に任天堂のゲームの味にすっかり慣らされてるだけで、特に何も感じなくなってるだけなのかも。