Nuclear Throne

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Nuclear Throne

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ローグライクな仕組みを実装することで得られる、おそらく最も重要なプレイヤー体験は「前回と同じビルドまたはルートでの攻略の禁止」だと思っている。これにより、短期間で特定状況下のノウハウを習得することが抑制され、プレイヤーの学習曲線が意図的に緩やかになり、「簡単な攻略法」の開発が阻まれる。

一見、プレイヤーにとってのメリットは存在しないように思えるが、ある程度ゲームに熟練したプレイヤーであれば、局所的な最適解に陥ることなく、自分の発想の及ばない組み合わせや攻略法を見出す助けとなるだろう。

つまり、ローグライクという仕組みがプレイヤーに意味をもたらすのは、一定の熟練度に達してからである。そのため、プレイヤーの当面の目標は、ゲームに慣れ知識を蓄えることとなる。

しかしながら、前述の通り、ローグライクの仕組みは事象の再現性を制限するため、仮説を立てて検証するという行為を困難にする。具体的な状況を再現し、その対策を検証できないのである。これは、入門者の学習には非常に不向きであり、そもそも熟練に達すること自体が仕組み上難しいという矛盾が生じていると考えている。

自分の能力の限界を感じながらプレイしていると、画面上で様々なものが爆発して光り、大きな音が鳴るのを見聞きしながら、何かが起こるまでチンパンジーの脳でボタンをポチポチする状態に陥り、1パチ回しながらぼんやりと時間をつぶしているような気持ちになる。

その結果、プレイヤーはさまざまな手段で熟達を目指すようになる。たとえば、Wikiや口コミなどの情報収集が挙げられる。チートのような手段を除けば、これが最も効率的な方法に思える。

これが、自分にとってローグライクに最も心をかき乱される部分で、ゲームそのものの仕組み上の矛盾をコミュニティの力で補填できるのであれば、ゲームは単なる媒介に過ぎなくなってしまうのではないか。それがどんなにできの悪いものだって、友達とワイワイ攻略情報話すのが楽しいなら、その媒介になっているのがなんだっていいじゃん。

実際、しょうもないものの対策を話題にして盛り上がってきたことは誰だっていくらでもある。嫌味な先輩、会社のヤバい同僚、パワハラ上司、狂った客、みんな元気でね。

自分は、なんだっていいもののために何十時間も(人によっては何百時間も)かけてたって言うの?そんなナイーブな考えを捨てることができない。これのせいでローグライクゲームの体験はどれも同じように感じてしまう。

でも、この考えが間違っていることを証明したいという気持ちがあるうちは、まだローグライクをやっていられる。

最初の数十時間を超えて一回でもランを勝利できれば、ゲームに対する解像度が上がってある程度マスターしたような気分になって、懲りずに「このゲーム自分得意かも」って気分になる。それは意図的に回り道をさせられたおかげかもしれない。

ところで、Nuclear Throne は一回勝ったけどなんか全然何もうまくなってる気がしない。Y.V. しか使ってないから?ゴールデンレンチで弾消しできないと一生被弾し続けるから?

  • ここではローグライクによってもたらす緊張感について書かなかったのは、ランダム要素とは無関係で、単純にリトライがだるいせいなので。