OXENFREE II: Lost Signals

 

OXENFREE II: Lost Signals

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  • プレイヤーは、操作キャラであるライリーに対する情報が何もない状態のまま、リアルタイムでライリーとしての会話の選択肢を選ばないといけないので、その過程で、今の発言はプレイヤー自身の考えによるものなのか、ライリーならこう答えるはずだろうというロールプレイによるものなのかが曖昧になっていく
    • これにより、ライリーとの共感というか、同化が深まっていくようになっていると感じた
    • そして後半からは、ライリーというキャラクターの過去が具体的に語られていくことで、自然とライリーの境遇に共感できるような仕組みなっている気がする
    • こういう仕組みは、ゲームで没入感を高める手法としては一般的かもしれないけど、前作と違うところとしては、ライリーと直接関係する人間が序盤はほとんど登場しないから、この会話において自分は「ライリー」としてどう振る舞うべきなのか?と迷わずに、自分自身の考えとして選択肢を選びやすかった
    • そのせいもあって、最後のレックスとの問答では、まるで自分が説教されているみたいに感じて辛かった
    • 自分で決定したことはそれがどれだけ愚かな選択であれ呪いのように付きまとってくるというレックスの問答は、自己実現こそが絶対的な価値基準だという前提がある気がして、感覚的にあまり理解ができなかった

  • 最後の選択肢は結構堪えた
    • こういう嫌な判断しないといけないとき、自分はあえて感情を無視してしまうことがあるんだけど、客観的に見ようとしたところで、オリビアは死んだ両親に会いたいと言っていてもまだ若いし、ライリーは年上で生活もボロボロだけど妊娠しているし、というなんとも判断しづらいように作られているなと思った
    • 最初のルートではジェイコブ犠牲フラグがたってなくて、ジェイコブにポータルを閉めるように頼んだ時になにかずっともにょもにょ言ってたのがちょっと面白かった

  • いずれにしろ悲しいエンディングだと思うけど、2週目でジェイコブにポータルを閉めてもらうことができてうれしかった
    • ジェイコブのキャラクターは嫌いじゃないし (どちらかというと好きなほう)、ジェイコブが別次元に残るのが一番良いと思ってるわけでもないんだけど、やっぱりあそこでジェイコブがポータルを閉めなかったら、物語の登場人物としての存在感が減ってしまう気がして
    • ジェイコブも何も成さずにいなくなりたくないみたいな話をずっとしていたし、これがジェイコブが本当に望んでいたことなのかもしれないと思うのにもある程度道理がある
    • 自分の人生を抑圧する対象を直接破壊することでしか自分の魂は救われず、それを避けていては今後の人生で得られるものなんてすべて意味がないという考えに襲われることがあるから、ある意味個人的なゴールを達成したジェイコブを少しうらやましいと思わなくもない

  • 結局オリビアにポータルを閉めさせなかったのは、やっぱりまだ若くてかわいそうだという思いと、なんか、人として最悪なんだけど、「なめるなよ」みたいな気持ちもあったと思う
    • だれだって人生で、「あのとき終わっとけばよかったな~」ってときはある(あるいは、これから訪れる)し、そんな理由で全人類が別世界のポータル開くようなめちゃくちゃやってたら、世の中はもう文明とか崩壊してるだろという思いがある
    • とはいえ、オリビアの境遇は自分では想像できないくらい大変だと思うし、さっさと終わらせたいと思うのもすごい理解できる

  • 1週目は、面白かったけど、アドラーの手紙や、ハンクのクエストなど、何か失敗した感がすごかった
    • まあ、人生ってそういうものかもしれない
    • やっぱり前作と一緒で、一週目ではだれとも仲良くなれなかった
    • 自分には本気で「友達」のセンスが無いのかもしれない
    • マリアの無線なんて3週目でようやく気付いた

  • 前作要素があるかどうかわからなかったから、アレックスが出てきたのが一番驚いたかもしれない
    • 本作を単独のストーリーとして楽しむこともできる、と書かれていたので、勝手にシステムとか設定が同様の別ユニバースみたいな話だと思ってたから、最後にアレックスとその友達の分のループも解決することになるのは、良い裏切られかたをしたような
    • 前作をプレイしてない、というかアレックスたちになんの思い入れもなかったら、結構理解しがたい部分が多いんじゃないかと、自分は前作をやっているから関係ないけど心配になった

  • 選択肢の表示時間が全体的に長めになってるのもうれしかった

  • 選択肢は日本語字幕でも短い文章で出来る限りわかりやすく書かれていたけど、どういうニュアンスなのか選択する前に分からない、というのがどうしてもある
    • もしかしたら原文でも分かりづらいところはあるかもしれない
    • 島全体を自由に歩き回って発信機を設置するフェーズのときに、ジェイコブから発信機の設置場所について「できるだけ海抜と同じところを目指して~」と言われるけど、正直どういう意味かかわからなくて迷った
      • 原文だと "as above sea-levels as we can" だから普通に翻訳ミスでは?