パクレットのウサちゃん捕獲ゲーム

そういえばBABAってウサギなのかな

パクレットのウサちゃん捕獲ゲーム

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とりあえず、子どもとバグ以外全部のウサギを捕まえた。続きは死ぬまでにやりたい。

高難易度のパズルゲームって聞いて、クリア条件とかを隠されているようなものを想像したけど、基本的にウサギを行き止まりに誘導すればクリアできるので、割と真正面からぶつかってくるタイプのパズルだったのはよかった。
クリア条件は明確だけど、仕様の説明やチュートリアル(のようなもの)があるのは最初の数面くらいで、他は新しいギミックが出てきてもほぼ何の説明もなく進んでいく。人によるとは思うけど、面をクリアしていくと自然に動きが理解できるということもあまりなく、そこまで上手に難易度上昇のカーブが調整されているわけではないような印象を受けた。
それでもだましだまし進んでいくと、ウサギの経路探索アルゴリズムを部分的には理解できてくる。なんとなくマップのどのあたりにウサギを追い込めるかがわかってからは、そこから逆算して解法を考えられるときもあって楽しかった。とはいえ、自分はそのウサギの経路探索アルゴリズムがなかなか理解できなかったから、最初の方は(というかほぼ最後まで?)全然あてもなくウサギを追いまわしているだけだった。

こういうのって詰将棋みたいに考える楽しさもあると思うけど、なんとなくこうやったらいけるんじゃないか?みたいな曖昧な推測だけで成功したときの方が脳内の報酬系が活発に働いている感じがある。ギャンブルに当たった興奮と自分の思い通りに事が進んだ満足感が一緒になってやってきている感じ。そういうのを自分の脳が覚えてしまっているから、ちゃんと一手ずつ手順を組み立てるよりも、曖昧なまま、少しの偶然を残したままクリアしようとしてしまう。その方が楽に気持ちよくなれるし。でも実際そのせいで無駄に時間が掛かっていて、なにか人間の構造的な欠陥があるような気がする。

基本的には面クリア型のパズルゲームなんだけど、面の壁を文字通り破壊することで(こういう高難易度を謳っているパズルゲームではもはや当たり前みたいになっているけど)他の面を横断して解くパズルもある。ただ、自分は割とこういうタイプのパズルが苦手で、そもそも他の面との接続ありきじゃないと解けないのかどうかを、答えが解る前に判断するのは不可能なんじゃないかと思っていて、なんか理不尽というかあまり納得できない気持ちがある。
この面の解法が分からないからあきらめて次に進むのと結局同じことになるから、しこりを抱えたまま進むような感覚がちょっと嫌なのかもしれない。後から他の面と接続して簡単に解けることですっきりするかといわれると、それはそれで肩透かしを食らったような気持ちになって、解決されない不満として残ってしまう。まあ、解けたから十分だろと言われればそうだけど。そうだけどさ。

ただ、割とそういうパズルは少ないし、面を横断しないと進めない場面でも、それとなくヒントになるオブジェクトが配置されているので、思いつくまで時間はかかったけど、理不尽さを感じることはほぼなかった。特に、E-12の穴を見つけるところは楽しかった。少しだけ見えるE-13のフロアから、上のフロアに戻る場所だけ見えてるという、ちょうどいい位のヒントだった。こういうちょうどいいパズルのヒントだけを集めたものをずっと眺めていたい。何も達成していないのに脳が勝手に喜んでいく。こういう種類のジャンキーもいると思う。

他にちょっと気になったのは、面の中に解法にかかわってこない場所が結構多いということ。どこにウサギを追い込むのかを見つけることが大抵のパズルの目的だから、難易度を上げるためにいわゆるハズレをたくさん配置して、その場所を見つけづらくする意図があると思う。でも、面の1/4くらいしか使わずにクリアできてしまうときもあり、なんかすっきりしないというか、あまりスマートではない印象があった。自分でもはっきりと説明できないし、ウサギを追い詰める場所を探すというコンセプトは楽しかったのに、矛盾していることを言っているようだけど、なんか水増しされている感覚がちょっとある。

  • タイトルに「パクレットの」とあって、最初シドマイヤーとかトムクランシーみたいに開発者とか作家の名前なのかと思ってたら、ゲーム内でウサギを追い回す女の子の名前なのはなんか意外だった。
  • つがいを全部見つけるのはリタイアしてからとかにやればいいやという気持ちが正直ある。ゲームなんてそもそも定年になってからやればいいとか言う奴正直ちょっと許せないけど、具体的に反論できない。今の自分には、そういう奴に対して大きい声を出して威嚇するしか成す術がない。
  • 定年してから重ためのゲームやるときってたいていSFCとか、せいぜいPSくらいの、古典のようなゲームだと思うけど、こういうPCのインディーゲームを年取ってからやることってあるのか?爺さんが Myst やってるって話は聞いたことあるけど、「ウサちゃん捕獲ゲーム」を定年後の楽しみに取っておいていいのか?
  • そういえばウサギをかわいいと思ったことってあまりないかもしれない。なんか生存に必死な感じがして真剣な気持ちになっちゃう。というか野生動物全般、みんな生きるのに必死だから、あまり可愛いという視点でみれない。とか、それっぽい理由付けしてるけど、自分のは単純に経験不足からくる忌避感でしかない思う。ペットとか飼ってた経験がある人は動物に感情があることを実感してるから、共感の対象として愛でたりする気持ちも芽生えているだろうし。