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何が起きてるのかはうっすらと理解できるけど(ゲーム中で文章によって説明されているので)、そもそもどういう発想でこれが作られたのかが全く理解できないのはあまりない体験だったので、うれしかった。

行方不明になった兄弟を探す旅の結果道教の聖地「洞天」を訪ねることになり、精神世界の探求を深めることになるという話の流れも、まあそういうものがあるんだなと思えば理解はできる。そして、体を離れ魂となって空間を漂う感覚が、複合現実(MR)技術により仮想的に体験できること、あるいはその体験を一つの道教的実践としているのも理解できる(本当か?)。でも、そもそもどっからそういう発想が湧いてきたのがわからない感じは、知らない文化に触れたときに特有のもので、そういうのを体験できるゲームは珍しいと思う。

そもそもこのゲームは itch.io や Steam で配信される前に、臨海市のアートレジデンシー[1]のプロジェクトとして展示されていた作品がもとになっている。このへんの経緯はこの展示に関する記事にまとめられている。

これによると、「With in/out Linhai」という中国美術学院と地元政府からの支援を受けたチームのリサーチプロジェクトの一つのアウトプットという位置づけの作品で、そのため、臨海市の歴史や史跡の調査の結果や、地形や施設の3Dスキャンが作品中の要素として登場している。

実際、自分がこの辺の地域密着的プロジェクトの話よりも気になったのは、中国のWeb小説の代表的なファンタジージャンルで cultivation (修仙/修真) が登場するものがあるという点で、調べると仙侠ファンタジー、もっと狭くすると修真物というジャンルがあり、そこでは、何らかの修行のプロセスに従って常人離れした力を身に着けて、最終的に仙人(高次存在)になるというお決まりの展開があるらしい。割とアニメ/ゲーム化などされていて、BLとかそういう受容のされかたもあり、『仙剣奇侠伝』とか『古剣奇譚』 とか具体的な作品を見るとその辺の雰囲気をうっすら理解できた気がする。そこまで積極的に輸出されているジャンルじゃないのも含めて刺さる人には刺さる感じがある。

こういう特定のファンタジージャンルの典型にのっとりながら、バグみたいなテクスチャとBGMが織りなす Overstimulating な雰囲気に圧倒されるような作品は割と見たことがあるし、glitchcore とか hyperpop の呼び名でジャンル化され始めている気がするけど、そこに実際の臨海市の地形や歴史が重なってくるせいで不意にロードムービーにあるような郷愁を感じて、3Dスキャンされた仮想的な地形と現実の景色がぼんやり重なり合うように、自分の感覚もその境界にいるような気分になった、のかもしれない。


  1. もうこの辺の用語は全然わからない。アーティストインレジデンス?アーティストレンジデンシー?自治体が誘致かなんかしてアーティストに住んでもらいながら作品も作ってもらうみたいなそういうやつ? ↩︎