プリンと盾琴

シューティングいけるかもしれない

プリンと盾琴

Steam

正直弾幕系シューティングって何か嫌(?)な印象があった。あえて苦行をやることに意味があると信じているような、なんか怖いセクトで洗脳されている人たちがやるもんだと思ってた。
でも、このゲームで初めて、シューティングって面白いかも、と思った。シューティングってパターン化、反射神経、ジャンル知識に基づいたアドリブ、精密な操作性など、歯ごたえのあるアクションゲームで得られる面白さが詰まってるのかもしれない。
シューティング初心者の自分でもこのゲームがやりやすかったのは、ステージが1つしかないし短いおかげでパターンを覚えやすいのもあるけど、特に良かったのは自分から弾を打って攻撃する必要がないという点だった。
攻撃手段が相手の弾を反射するだけなので、敵の弾を避けるときは当然だけど攻撃するときも相手の弾だけに集中していれば良いのが気楽だった。普通のシューティングゲーム(よく知らんけど)では弾をよけつつ敵機の動きも見てさらに攻撃をするということを考えなくてはいけないのを、このゲームだと反射する場所とタイミングを考えるだけで解決できるようになっているのがすごく分かりやすかった。そのうえちょうどいいタイミングで弾を反射すれば敵を殲滅できて、ただ避けてるだけでは得られない快感もある。射撃ボタンを押していれば勝手にホーミングしてくれるから実質敵を狙わなくていいみたいなゲームはあると思うけど、それよりは自分から反射しに行く方がより積極的に行動している感じがある。

最終的にパターンを覚えた結果、ボス戦までの道中はほぼタイミング合わせて盾ボタンをおして反射するゲームになってなんか音ゲーっぽい気もした。音ゲーも全然やった経験ないけど。
別エンドのためにはラスボス戦では音ゲーじゃなくてちゃんと弾避けをする必要があるけど、ゆっくりな弾幕と自機狙いの弾しかないから見た目ほど大変ではなかった。微妙にジャンルは違うけど Returnal をやっていたおかげで、そういう弾幕のパターンだということを理解できるようにはなっていたと思う。

ところでスチームの人気タグで「シューティング」より「パズル」の方が上位に来ているのは、難しいパズルゲームに「精神的恐怖」タグが付いてるようなそういうインターネットのノリかと思ったけど、単純にタイミングだけではない攻略法も存在するところがパズルゲームっぽいのかもしれないと思った。具体的には、いつもは無視するべき幸福リングをラスボス前の肉壁を安全に突破するために利用したりとか。

シグナスみたいに歪んでるけど一貫性のあるキャラはどうしても好きにならざるを得ない。プレイ中の子供っぽいヤケクソな言動も好きだけど、手記などで断片的に語られる姿に一貫性があるし、破滅的な行動に至った理由もうっすら理解できるのも面白かった。なんか、最悪な運命でも必然性があったんだと信じることでギリギリ耐えていた境遇から突然解放されたことで、そもそも自分のこれまでの人生が否定されたような気持ちになったのかもしれない。そして、自分を幽閉したのと同じ王族の家系からそれを言い渡されたのも、捨て鉢な行動に出るのに十分な説得力があるように個人的には思えた。あと単純に今回の事態を引き起こすためにめちゃくちゃ準備してるし、やったことの規模がでかいのが好き。
チュートリアルキャラが実はラスボスだった、みたいなパターンで、最初からそのキャラがめちゃくちゃ怪しくて、逆にゲームを進めてバックグラウンドを知れば知るほど、コイツの言ってることも案外もっともだなと思えるようになるのって珍しい気もする。