The Talos principle II
楽しかった
各パズルごとに新しい「ネタ」(新しいギミックや、既存ギミックの組み合わせによる新しい仕様、など)に気づく必要があり、同じネタの使いまわしがほぼ無くてすごい(前作のネタの使いまわしはあるけど)。
前作は通常ステージは割と同じネタの使いまわしがある一方、タワーのパズルでは少しトリッキーなギミックの仕様に気づかないと解けないようになってたので、歯ごたえはあるが、想定されたルートで進めていてもすこし詰まってしまって苦行に感じるような瞬間があった。今作は逆に、通常ステージでも、1マップごとに新しいギミックがあり、常に新しい解き方が提示されていて、星や高難度のパズル(失われたパズル、ゴールドパズル)ではその応用や組み合わせのパズルになっている。順番にやっていれば比較的すらすら解けるようになっていて、自分ってパズル得意かも感がたくさん湧いてくる。
ストーリー目当てではなかったけど、結構面白かった。後半に行くほど話が核心に迫っていくのは当たり前だけど、同時にパズルも難しくなっていくので、難しいパズルを解くほど、ご褒美としてのストーリーも面白くなっていくようにできててすごい。
特に、ゴールドパズルを解いていくと、コーネリアスからアテナとの間に何があったかを聞くことができるのが良かった。さすがにここまでくると結構気力的にも大変になってくるから。難しいパズルのご褒美に絶望した老人の昔話が聞けるのってなんかすごい。
ニューエルサレム市民という具体的な他者の存在が表れたせいで、前作より哲学的問答が空虚なものに感じる。こっちは目の前の「あなた」のことを話しているのに、「人間は…」とか「人類は…」とか言われると話をすり替えられてる気がする。まあ実質不死身だし、差し迫った危機のない停滞した世の中で生きていたらそうなるのかも。
一例を挙げると、ニューエルサレムの住人から、恋人がいないんだけどどうしたらいいのかみたいな相談をされたから、「独りでも楽しめるようにしたらいいんじゃないか」みたいなことを言ったら、「だから我々の祖先の人類は滅亡したんだ」みたいな話をしだして、自分も人のこと言える立場じゃないけど、「そういうところだぞ」と思ってしまった。
こういう哲学上の難問に挑むには忍耐力が必要なんだということを学ぶには格好の教材なのかもしれない。
とはいえ、最終、ミルトンとエロヒムの融合体のミルトヒムから、自分の道徳コンパイラに従って現実の諸問題に都度対処していくしかないという話を授かるのは、内省的な問題より社会の具体的な問題を扱うようになった今作を象徴しているし、至極もっともな話だと思った。
まあ、遺伝的、社会的なものにせよ、全ての生まれながらの格差が無視できるという理想的な世界での話だから、あまり真に受けてもという話ではあるけど。
自分の録画みてて思ったけど、明らかにできると自分で気づいていることを最初にやらずに、できないと知っていることをわざわざ何度も確認して時間かかってるのがなんか嫌だな。そういうのでずっと失敗してきた気がする。一番確度の高い手法を試して失敗すると後がなくなるような気がして、なかなか手を出せなくなるというのがある。
あと、単純に画面に映ってるのに何も見てなかったり、道を全く覚えてなかったりやばすぎる。
パズルを解いている間は現実の諸問題から離れた世界にいる気分になっているんだけど、たまに仕事で使っている脳の部分とオーバーラップするようなときがあって、そうなると急に何も考えたくなくなってしまう。おい、どうするんだ。
- 最初のシミュレーション上のチュートリアルステージで、前作で自分が詰まった仕様がほぼ全部出てきて面白かった。前作のフィードバックを受けて作ったんだろうけど、大体みんな同じところで詰まるんだ。
- ゴールドパズルとかでも、前作でやったネタが結構使いまわされているなと思った。自分は全然解法覚えてなかったけど。まあ、全部アテナの夢だったとすれば使いまわしがあっても不思議ではないということか?
- うんことかおしっことかがないとユーモアって産まれないのかもな、ってニューエルサレムを散策しているときに思った。
- ソムノドロームによると自分の知性、速度、およびユーモアは「低」らしい。